老後資金のベースとなる年金を、もらい忘れていませんか?(その1)

老後資金のベースとなる公的年金が、本来なら受給できるはずの年金を請求申請しないために、もらい忘れているケースが多いようです。 ほんとにほんとに、もったいないですね!

今回は、本来なら受給できるはずの『特別支給の老齢厚生年金』について調べてみました。

もらい忘れの原因

今回の記事で、最も大切なポイントである「もらい忘れの原因」について触れます。

公的年金は受給年齢になれば自動的にもらえると思っている人が多いみたいですね。
とんでもない、公的年金は自分で請求手続きをしないと、もらえない仕組みになっています。

日本年金機構のサイトにも、下記のように明確に書かれています。
年金は、年金を受ける資格ができたとき自動的に支給が始まるものではありません。ご自身で年金を受けるための手続き(年金請求)を行う必要があります。
  出典元:日本年金機構 支給開始年齢になったとき

『特別支給の老齢厚生年金』は、60歳以上で一定の条件を満たした人が受給できます。
それを「年金がもらえるのは65歳から」等の思い込みで、日本年金機構からの案内を放置する人が多いようです。

年金請求しない人の、思い込みの主たる原因は、

 ① 年金がもらえるのは65歳からと、思い込んでいる。
 ② 65歳より前に『特別支給の老齢厚生年金』をもらうと、
   年金が満額から減らされると思い込んでいる。
 ③ 働いて給料を得ている間は、『特別支給の老齢厚生年金』は
   もらえないと思い込んでいる。

です。

圭一
年金についての知識不足が、もらい忘れの原因です。 思い込みは危険です・・・
もらい忘れがないようにシッカリと確認してくださいね。

請求しないで5年経過すると「時効」になり、年金がもらえない

日本年金機構からの案内を放置したまま、5年経過すると「時効」になり、年金がもらえないことになります。

日本年金機構のサイトには、
『年金を受ける権利(基本権)は、権利が発生してから5年を経過したときは、時効によって消滅します。』
と書かれています。
  出典元:日本年金機構 年金の時効

請求書の提出を怠ると『特別支給の老齢厚生年金』の請求権が無効になり、年金をもらえなくなるので、十分に注意して下さい。
日本年金機構からの案内が郵送で届いたら、必ず開封し必要書類を準備して年金事務所の窓口に行きましょう。

圭一
面倒がらずに、日本年金機構・年金事務所の窓口に行って確認・相談することをお薦めします。

受給資格の条件

次に、『特別支給の老齢厚生年金』の受給資格の条件を見てみます。

『特別支給の老齢厚生年金』を受給できる資格の条件は、

  ・男性/女性とも60歳以上のこと
  ・男性は1961年4月1日以前の生まれのこと
  ・女性は1966年4月1日以前の生まれのこと
  ・老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たすこと
  ・厚生年金の被保険者期間が1年以上あること

 出典元:日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金

です。

要約すると、誕生日が上記年月日以前の人で、会社勤めをして厚生年金に10年以上加入していれば、ほぼほぼ受給資格があるのではないでしょうか。

上記の受給資格条件に該当すれば、60歳の誕生日の3ヶ月前に日本年金機構から書類が郵送されてきます。
その書類を見逃さないようにして下さい。

年金請求書の書類が事前(誕生日の3か月前)に届く

受給開始年齢に達し、「特別支給の老齢厚生年金」を受給する権利が発生する人に対して、受給開始年齢に到達する誕生日の3か月前に、

  ・基礎年金番号
  ・氏名
  ・生年月日
  ・性別
  ・住所
  ・年金加入記録

 出典元:日本年金機構 支給開始年齢になったとき

をあらかじめ印字した「年金請求書(事前送付用)」及び「年金の請求手続きのご案内」が日本年金機構から本人宛てに郵送送付されます。

難しく考える必要はありません。日本年金機構からの案内が届いたら誕生日以降に、必要書類を揃えて年金事務所に出向けばいいだけです。

圭一
この「年金請求書(事前送付用)」の書類が届いているのに、年金の繰上げ受給と勘違いして、年金の請求手続きをしない人が、多いらしいので気を付けて下さいね・・・モッタイナイですよ

請求書の提出

『特別支給の老齢厚生年金』の請求書を提出できるのは、受給開始年齢に到達した日(誕生日の前日)となります。
従って、請求書の提出は「誕生日の前日」以降で十分間に合います。

日本年金機構のサイトにも、
特別支給の老齢厚生年金は「繰下げ制度」はありません。受給権発生日以降に速やかに請求してください。
(出典元:日本年金機構 支給開始年齢になったとき
と記載されています。

誕生日を迎えたら、年金請求書と必要書類を準備して年金事務所の窓口に出向きましょう。

請求するときに必要な書類

請求するときに必要な書類の抜粋です。

 ・年金請求書
 ・戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか
   (年金請求書の提出日の6か月以内に交付されたもの)
 ・年金を受取る金融機関の通帳(本人名義)

※年金請求時に必要な書類の詳細は、結構細かな条件があります。
 ○すべての方に必要な書類。
 ○請求者の厚生年金の加入期間が20年以上かつ配偶者または18歳未満のお子様がいる方。
 ○請求者の厚生年金の加入期間が20年未満で、配偶者の厚生年金(共済)の加入期間が20年以上の方。
 ○その他 請求者の状況によって必要な書類。
その詳細については、日本年金機構のサイトを参照するか、年金事務所の窓口に相談するのがベストだと思います。
  ➤日本年金機構 支給開始年齢になったとき

請求書の提出先

年金請求書の提出先は、
  ・日本年金機構の年金事務所
  ・街角の年金相談センター
です。 いずれも、現在お住いの近くにある上記の公的機関で問題ありません。

ちなみに、私は千葉県在住ですが、東京・銀座の年金事務所の窓口で手続きをしました。
確か、平日の朝一番で受付けてもらい、1時間ぐらいで年金請求の手続きが全て完了したと記憶しています。
非常に丁寧に対応して頂き、気持ち良く手続き出来たことを覚えています。

年金受給までの流れ

『特別支給の老齢厚生年金』を受給するまでの、簡単な流れを記載します。

『特別支給の老齢厚生年金』を受給するまでの流れ
 ①受給開始年齢の誕生日の3ヶ月前に「年金の請求手続きの案内」が郵送されてきます。
  
 ②必要書類を準備して、請求書を作成し手続きします。(誕生日の前日から提出可能)
  
 ③1~2ケ月後に、年金証書・年金決定通知書が郵送されてきます。
  
 ④さらに1~2ケ月後に『特別支給の老齢厚生年金』が預金口座に振り込まれます。

まとめ

今回の記事は、老後資金のベースとなる『特別支給の老齢厚生年金』の、もらい忘れてを少しでも防止できればとの思いから、

 ・『特別支給の老齢厚生年金』は、勘違いや思い込みで案内書を放置しがちなので、注意したいこと
 ・5年以上請求手続きをしないで放置すると、時効になり年金をもらえなくなること
 ・日本年金機構から案内書類が届いたら、誕生日以降に速やかに年金請求書を提出すること

などについて記載しました。
くどくなりますが、日本年金機構から案内書類が届いたら放置しないで早めに年金請求することをお薦めします。