「ゆる投資」、あまり聞きなれない言葉ですが、これは定年退職をした人が、そのゆとりの時間とお金を生かして、株式・投資信託・不動産などに余裕資金の範囲内で投資をすることを指します。

余裕資金による少額の投資になるので、あまり大きな利益になならないでしょう。従って、今回の記事テーマである「ゆる投資」で老後資金を貯めることは出来ないと、私は思います。

それでは、何のために「ゆる投資」をするのか、見てみたいと思います。

「ゆる投資」とは

「ゆる投資」とは、定年退職した人のなかでも、時間的余裕と金銭的余裕がある人が、株式・不動産・投資信託などに少額を投資して、その投資資金の運用で一喜一憂する体験を楽しんだり、投資のための勉強を楽しんだり、投資という経済活動をすることで経済社会と接点を持ったり、同好の人との交流を楽しむことだと、私は考えています。

余裕資金=少額の投資になるので、もしも、その投資に失敗しても熱くならず、余裕を持ってその状況を楽しむくらいの投資を「ゆる投資」と言ってもよいと思います。

「ゆる投資」の効果

ファイナンシャルプランナーの森本幸人さんが、「ゆる投資」の効果を次のように表現しています。

『シニアにとって株式や不動産への投資は、頭脳を働かせて現実の経済社会と接点を持てるという点で意義がある。投資によって市場の動きに関心がわきセミナーに行ったり、経済関係の本を読んて理解を深めたりするだろう。』

後述する事例の人々は、皆さん「ゆる投資」を実践することで定年後の人生を楽しんでいます。

さらにさらに「ゆる投資」を実践することで、現実の経済社会との接点を持ち、いろいろな人と交流することで、ボケ防止にも役立っているのではないでしょうか? これこそ「ゆる投資」の大いなる効果・メリットではないかと思います。

『お金は人間の本能的な欲望に直結している。少額であっても増えればうれしいし、減ればくやしいから、頭脳の活性化につながる』と森本幸人さんも述べています。

「ゆる投資」のリスク

「ゆる投資」は、投資した資金の増減に一喜一憂しながらも、余裕を持ってその資金の増減を楽しむことが大切だと思います。

「ゆる投資」の投資資金は原則として少額のはずですが、投資したからには増える事を期待しますよね。

投資した資金が減少すると熱くなって冷静さを失い、それを取り戻そうとして大切な老後資金から追加投資して失敗すれば、これでは本末転倒です。

余裕資金での「ゆる投資」のつもりが、大切な老後資金を失って下流老人になっては元も子もありません。人間の本質的な欲望に根ざす「お金」を運用する「ゆる投資」ですが、リスクとしての側面もあることを忘れてはいけないと思います。

「ゆる投資」と言えども投資に変わりはないので、上記の様なリスクを含んでいる事を忘れずに、あくまでも余裕資金の範囲内で投資を楽しむことが、絶対の条件だとつくづく思います。

「ゆる投資」の事例

日本経済新聞の2018/9/6夕刊のセカンドステージという記事に、「ゆる投資」を実践している人の記事がありましたので紹介します。
下記事例の皆さんは、「ゆる投資」を実践することで人生を楽しんでいるのが特徴だと思いました。

株式投資を楽しむ・その1

両親の介護のために昨年、会社を退職したIさん57歳は、介護の傍らスマートフォンで株式投資を楽しんでいる。

たまに現役で働く友人たちと居酒屋で飲むときも「有望なベンチャー銘柄の話などで盛り上がれるし、介護の息抜きにもなる」とのことです。

株式投資を楽しむ・その2

会社を定年退職した、岡山在住のAさん69歳は、株式投資を楽しむようになった。元手は約100万円。身近な流通・外食などの4~5銘柄で運用している。

最近は銘柄を入れ替えた途端に売った銘柄が値上がりして、ちょっと悔しい思いをしたが、余裕資金なので気持ちの切り替えも早い。

売買のタイミングを見極めるため「株価チャートの分析にも挑戦してみたい」。

Aさんは東京などから帰省してくる娘たちにもよく株式投資の話をする。「歳をとっても株式投資が出来るくらいの元気と判断力があるぞとアピールして、安心させている」とのことです。

セミナーで学ぶ楽しさ

足立区在住のKさん66歳は、金融機関や証券取引所などが開くセミナーに足しげく通っている。金融商品の紹介ではなく、市場の見通しや老後の家計設計といったテーマのものを選ぶ。

「セミナーで得た知識をもとに、書店で関連書籍を買って勉強すると、学ぶ楽しさを実感できる」と話しています。

アパート経営で楽しむ

練馬区在住のKさん67歳は、高齢の母親から経営をまかされた古い木造アパートで「いろいろ工夫を凝らすのが楽しい」という。

トイレとシャワーが共同という昭和30年代の仕様で、そのままでは入居者が集まりにくいため、家具付きで外国人留学生に安く賃貸することを発案した。

土壁だった内装に白い壁紙を張り明るい雰囲気にしたほか、インテリア雑誌を参考にして、IKEAなどの家具店でベッドやデスクを購入。洗面台にはだ円のおしゃれな鏡を置き、冷蔵庫も備え付けにした。これが成功して2階建て6室がほぼ満室になっている。(中略)

年に1回、入居者を招いてパーティを開き、米国、フランス、台湾などの学生との国際交流を楽しんでいる。とのことです。

まとめ

今回の記事は、

  ・「ゆる投資」で老後資金は貯まらない
  ・「ゆる投資」の実践は、定年後の人生を楽しむことが肝心
  ・「ゆる投資」の実践は、ボケ防止になるかも
  ・「ゆる投資」に潜むリスクの一面に注意

このような内容と、「ゆる投資」で定年後の人生を楽しんでいる人の事例も紹介しました。

出典:今回の記事は、日本経済新聞 2018/9/6(木)夕刊の「セカンド ステージ」を参考にさせて頂きました。