内館牧子さん著作の小説『終わった人』がいよいよ劇場公開され、見に行ってきました。
話題の映画だけあって、映画館はすごい人数でした。人いきれで少々疲れましたね。
小説と映画では、若干違うストーリー(シナリオ?)になっていましたが、小説では得られなかった映画としてのオリジナルな良さを感じ取ることも出来ました。
映画『終わった人』を見てきました
今日(2018/6/10)、映画『終わった人』を見てきました。
主人公の田代壮介役に舘ひろしさん、妻の田代千草役に黒木瞳さん、カルチャースクールの受付嬢役に広末涼子さん、その他多彩な俳優さんたちが、素晴らしい演技で作品を作り上げています。
監督及び脚本家の力もあると思いますが、暗くて重いテーマにも関わらず、小説よりコミカルに仕上がっていて、私はとても好感が持てました。
映画を見る前に、小説『終わった人』を読んでますので、大筋の内容&物語の展開とも、原作を尊重しつつもコミカルな映画に仕上がっていると思います。(...生意気言ってすみません)
ただ、私にとって一点だけ残念なシナリオになっている所がありました。
その一点についてだけ話したいと思いますが、それだけでもネタバレになるのでは、...との不安があります。
残念なシナリオとは、物語の最終局面の筋書きです。私は小説『終わった人』のエンディングの方が良かったですね。
小説のエンディングでは、
主人公が、新幹線に乗り盛岡に帰るとき、福島を通過するあたりで妻の千草から携帯電話が入り、千草は次の新幹線に乗り1時間遅く盛岡駅に到着しました。 盛岡駅で妻と合うと、主人公は『おれは嬉しさを隠せなかった。千草も照れたような笑顔だった.....』と語っています。
このエンディングは、長年連れ添った夫婦の何でもないやり取りでしたが、自分が主人公と同じような状況になった場合の事を想像すると、この妻の一連の行動に、私はかなりしびれましたね。同時に、心の中が凄く暖かくなりました。
一方、映画のエンディングは......。 ネタバレになるので止めます。映画を見て下さい!!
映画『終わった人』のプレミア試写会レポートより
だいぶ前になりますが、2018/5/10に東京国際フォーラムで、映画『終わった人』のプレミア試写会があり、舘ひろしさん、黒木瞳さん、広末涼子さん、田口トモロヲさん、ベンガルさん、原作者の内館牧子さん、中田秀夫監督が登壇し、記者会見と舞台挨拶を掲載したサイトがありました。 その中から舘ひろしさんの挨拶だけ紹介します。
【舘ひろしさんの挨拶】
まず「終わった人」というタイトルは、わたくし自身が終わりに近いので、あまりやりたくないな、と思ったんですけれども(笑)(中略)そのあと脚本をいただいて、それはとてもコミカルに書かれていて。これはひょっとしたら面白いかもということで、やらせていただきました。
出典元:映画『終わった人』NEWSの「プレミア試写会レポート」
私は、もともと 舘ひろしさんという俳優がお気に入りでした。それも、かなり硬派としての印象が強い俳優さんとしてです。がしかし、今回は、それがいい意味で完全に裏切られましたね。
あの舘ひろしさんが、こんなコミカルな役を演じたことに驚きも感じました。今回の映画で、舘さんをますます気に入りましたね。
舘さんの上記挨拶を見ると、ご本人がコミカルな役を積極的に演じていたようですね。舘さんの違う一面を見れたことで、私にとってこの映画は価値のあるものになりました。
もちろん、単にコミカルだけでなく、妻役の黒木瞳さんとの しんみりとした哀愁漂う夫婦のやりとりもステキでした。素晴らしい映画を有難うございました。
終わりに
今日(6/10)は『終わった人』を見終えた後、ふと見ると同じイオンシネマに、あの『万引き家族』が上映されていたので、立て続けに見てしまいました。
そう、この『万引き家族』という映画は、是枝裕和監督の最新作で、あのカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した作品です。